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袴田巖さんに再審無罪を!

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2021年10月、差し戻し審の現況

年報・死刑廃止2021(2021年10月10日刊)より転載


袴田事件の差し戻し決定

袴田事件弁護団事務局長 小川秀世

1  2020年12月22日付最高裁決定

2020年12月22日、最高裁は、再審請求を棄却した東京高裁決定を取消し、東京高裁に差戻す決定をした。差戻し前の東京高裁決定は、とんでもない決定であったから、当然取り消されるべきものであったが、万が一特別抗告が棄却されれば、釈放されている袴田巖さんが収監されるかもしれなかった。その危険がなくなったことでは、正直ほっとした気持ちもあった。

2          最高裁決定には特別の思いが込められている

今回の最高裁決定は、残念なことに、東京高裁への差戻しであり再審開始ではなかった。つまり、静岡地裁の再審開始決定の二つの柱であったDNA鑑定やみそ漬け実験報告書等について、いずれも再審開始の要件である証拠としての明白性を認めなかったのである。とくにDNA鑑定は、本田克也教授や、弁護団のDNA班と呼ばれていたメンバーが懸命に取り組み、それを静岡地裁が正しく評価してくれていたものであったし、それに対する東京高裁の判断は、取消決定の中でもとくにひどいところであったから、最高裁がそれを容認したことは大いに失望した。

加えて、東京高裁における録音テープなどの「遅すぎる」証拠開示によってはじめて明らかになった警察官の偽証等を理由にした新たな再審事由の申立てに対して、その東京高裁がいわば「遅すぎる」として不当にも却下していたが、それについても最高裁は判断を示さなかった。

このように、最高裁決定については、私たちには納得しがたいところがいくつもあった。しかし、それでも私たちは、この決定は最高裁の五人の裁判官の、特別の思いが込められたものであり、これまでの裁判所の判断を超えた判断が含まれていると考えている。

最高裁は、証拠の明白性を認めなかったのであるから、論理的には再審請求を棄却することもできたはずである。しかし、棄却して再度の再審請求手続きを求めるのではなく、東京高裁決定を取消した上で、さらに審理を尽くすように命じたのである。もちろん、棄却すれば袴田さんの再収監という大きな混乱が生じ、世界中から注目されることになることは避けられない。最高裁にもそれを回避したい気持ちはあったことは間違いない。しかし、それでも今回の判断の内容は、最高裁の中での真剣な議論を経た上で、いわば袴田さんを救済するためのありうる次善の方向であったことが感じられるのである。

また、三名の裁判官による多数意見は差戻しであったが、少数意見となった二名の裁判官は再審を開始すべきであるとの判断であり、しかも、少数意見の裁判官はもちろん、多数意見のうち二名の裁判官も、個別意見を書かれていた。そして、それらの中身をみると、弁護団の中でも議論がされていなかった問題も含め、最高裁の中で本当に熱心な議論行われていたことが伝わってくる内容であった。これらについては、後に述べることにする。

3  偏見にとらわれなかった最高裁

一番重要な点は、差戻し決定をみると、財田川事件の最高裁の差戻し決定のように、袴田事件は有罪とするには証拠が不足しているとの判断がなされたと読み取ることができることである。つまり、死刑事件であるこの事件について、最高裁が誤判であることをはっきりと認識したことが、今回の差戻し決定につながったと考えられるのである。これを説明しよう。

五点の衣類についての偏見

この事件は、五点の衣類が中心証拠であり、それが犯行着衣でかつ袴田さんのものであるとの認定によって有罪とされてきた。ところが、実際には五点の衣類が犯行着衣であるとする根拠などなかったのである。

五点の衣類は、事件発生から一年二か月も経過した時点で、袴田さんが住み込みで働いていた現場近くのみそ製造工場内のみそタンクの底部から麻袋に入った状態で発見された。それまで犯行着衣とされてきた袴田さんのパジャマには、目に見える血痕すらなかった。そのため、鑑定の結果、袴田さんの血液型でない型の血液が検出された(当初は発表もなかった点などから、これもきわめて怪しいが)という理由で犯行着衣であるとして逮捕され、取調べでも繰返し追及されていた。しかし、犯行着衣であれば、相当の返り血が付着していたはずである。このように、返り血が付着した衣類がないという事実は、冤罪ではしばしば問題になる論点であり、この事件でも、本当にパジャマが犯行着衣なのか大いに疑問があった。

ところが、そうした疑問が残ったまま進んでいた公判の最中に発見された五点の衣類には、多量のかつ複数の血液型の血が付着していた。被害者四人は、すべて異なった血液型であったのだ。

しかも、衣類の中にあった緑色ブリーフは、会社の同僚らが口をそろえて袴田さんのものだと供述し、さらに、突如行われた警察による五点の衣類発見直後の捜索においてズボンの共布が袴田さんの実家から発見されたというのだ。少なくとも、衣類が袴田さんのものであることは間違いないと思わせるような証拠がそろったのである。

しかし、五点の衣類が発見された時、袴田さんはこの事件の公判中で、当然、拘置所に入っていたから、みそタンクに入れられるはずがない。そのため、関係者や警察官は、本当は論理が逆なのであるが、「袴田のものなのだから……事件直後に隠されたとしか考えられないし……それなら犯行着衣だ」と思い込んでしまった。もちろん、発見直前に入れられた可能性も一応考えたかもしれないが、その場合、警察によるねつ造工作と考えるしかない。ところが、そこで「警察によるこれほど大がかりで手の込んだねつ造などありえない」という偏見が強く影響した。そのため、証拠のないまま、「発見直前に入れられた可能性は考えられない」とされ、弁護人すら事件直後に隠された犯行着衣であると思い込んでしまったのである。そのため、再審請求がなされるまで、弁護人は、犯行着衣であることを争うことすらしなかった。その結果、「衣類は袴田のものか否か」という点だけが争点となり、「犯行着衣か否か」の検討がなされないままになってしまったのである。

再審請求後の裁判所の対応

第一次再審請求申立後、弁護人は、五点の衣類は発見直前に入れられた警察によるねつ造証拠であると主張してきた。しかし、ねつ造を裏付ける決定的証拠がないと判断されてきたこともあり、その主張はずっと無視されてきた。

例えば、第一次再審請求のときの最高裁は、まったく根拠がないのに、「これら五点の衣類及び麻袋は、その発見時の状態等に照らし長期間みその中につけ込まれていたものであることが明らかであって、発見の直前に同タンク内に入れられたものとは考えられない」と証拠のないまま一年二か月前にみそタンクに入れられたと認定し、だから犯行着衣であることは間違いないとされたのである。しかし、証拠に基づかない認定がそのまま維持できるはずがない。

第二次再審請求の申立ては、この最高裁の判断をターゲットにした。五点の衣類発見時の状態は、二〇分もあれば作ることができるとするみそ漬け実験報告書を新証拠としたのである。それをふまえた上でのDNA鑑定であった。

そして、静岡地裁において、五点の衣類に付着している血痕は被害者のものでないし、犯人のものとされた血痕は袴田さんのものではないとする本田克也教授の決定的なDNA鑑定がなされた。さらに加えて合計三通のみそ漬け実験報告書等を根拠に、五点の衣類の色と付着していた血液の色からすると、事件直後に入れられたとは言えないことも明らかにされた。その結果、静岡地裁の再審開始決定は、警察によるねつ造証拠の可能性が高いと認定したのである。警察によるねつ造などと言明する裁判所も、珍しいように思うかもしれないが、これは上記証拠からすれば当然の帰結であった。

ところが、東京高裁決定は、上記の二つの重要な新証拠の信用性をいずれも否定したことから、再び、五点の衣類について、単に「警察によるねつ造などありえない」という偏見だけでもって犯行着衣であると判断していた。偏見というのは、本当に根深いものであることを思い知らされたのである。

誤判であるとの最高裁の判断

今回の最高裁も、DNA鑑定や色に関する証拠であるみそ漬け実験報告書等を、明白な証拠とは認めなかったことは東京高裁と同様だった。にもかかわらず、五点の衣類が事件直後に入れられたと認定する明確な根拠はないとして、発見直前に入れられた可能性があることを認めたのである。

これは、きわめて重大な判断であった。

第一に、これは、第一次再審において五点の衣類は「発見時の状態等に照らし長期間みその中につけ込まれていたものであることが明らか」とした最高裁の前記判断を直接否定したということである。その結果、犯行着衣とした認定の根拠がなくなったのである。

第二に、五点の衣類が発見直前に入れられたとすれば、ねつ造証拠ということになる。つまり、「ねつ造」という言葉は使用していないが、最高裁は偏見にとらわれないで、五点の衣類がねつ造証拠である可能性を認めたということであり、同時に、新証拠以前の問題として、確定判決が誤っていたと判断したということである。

死刑事件について、確定判決に誰がみても明らかな誤りがあった、しかも中心証拠の核心的部分の認定が誤っていたということである。これは最高裁にとっても衝撃であったに違いない。だからこそ、なんとかこの事件は救済すべきであると判断し、今回の差戻し決定になったと考えられるのである。

4  差戻し決定の具体的な内容

第一に、DNA鑑定である。DNA鑑定は、犯行着衣とされた五点の衣類と、被害者着衣について行われたものであった。再審開始決定では、本田鑑定により、犯行着衣の返り血が付着したように見える部分の血痕のDNAは被害者のDNAと一致しなかったし、B型ゆえに、袴田巖さんの血痕と言われていた半袖シャツ右肩上部の血痕のDNAも、同人のものではないとの結論であった。だからこそ、静岡地裁は、五点の衣類が警察によるねつ造証拠の可能性があると認めたのである。

本田教授は、鑑定の前処理であるが、静岡地裁から五点の衣類には、汚染(コンタミネーション)のおそれがあるから、血痕部分の試料についてのDNA鑑定結果が、付着血液のDNAであると言えないと困るという注文が出され、独自の方法を考え出し、使用したのである。それが細胞選択的抽出法である。これは、血液の細胞は他の細胞と比較して比重が大きいと考えられるから、比重の相違を利用して血液細胞を選択するという方法である。

ところが、これが本田教授の考案した新しい方法であったことから、検察官が動員した学者が、次々に疑義を呈示した。そのため、即時抗告審で鈴木鑑定が行われた。しかし、鈴木鑑定は、裁判所の鑑定事項に即した鑑定すら実施しないままに結論を出しており、証人尋問でも圧倒的に本田教授の証言に説得力があった。だから、誰もが、静岡地裁の再審開始決定が維持されると考えていた。ところが、それが取り消されてしまったのだ。

今回の最高裁は、結論的には、DNA鑑定については東京高裁決定の判断を承認した。それは、みそ漬けになった古い血痕であるから、DNAが変性し劣化していることは否定できず、だから鑑定をそのまま信用することはできないというのだ。その理由として、同じ試料を二つに分けてDNA鑑定を繰り返しても、続けて同じ型が検出されないことが多かったこと、稀少性があり日本人には見られない型がいくつも検出されたこと、本田教授自身本件の試料にはコンタミがあることを認めていること等であった。

しかし、本田鑑定では、血痕の付着していない部分から採取したほとんどの対照試料からはDNAが検出されなかった。ということは、血痕部分の試料から検出されたDNAは、コンタミを拾ったのではなく、血痕のDNAと判断する方が常識的な解釈である。しかも、今回の鑑定は、同一人でないことが確認できればよいのであり、一つでも型が異なればそう判断できるはずである。

また、事件当時は売血が行われていたのだから、外国人の血の入った売血がねつ造に使われたとしても不思議ではなく、そうであれば日本人にはほとんど見られないDNA型が検出されても不思議ではない。

ただし、差戻し前の東京高裁は、本田教授の鑑定の方法に、資料が意図的に処分され、あるいは隠されたなどの疑いをもったり、本田教授自身のDNAによって試料を汚染させたもので、技術的に劣った、あるいはずさんな方法によって実施されたというような根拠のない不当な批判まで加えていた。しかも、東京高裁の決定をみた他の著名な刑事弁護士が、むしろSTAP細胞事件が暴かれたことを思わせるかのように賞賛していたことには失望したし、怒りを覚えた。しかし、最高裁は、そんな東京高裁の姿勢と判断に対して、本田供述の人格攻撃的な説示をしたのはあえて不適切であり不正確であるとあえて述べ強く批判したことは、とても心強く感じた。

そうは言っても、本田教授のDNA鑑定が否定されたのは不当であるし、非常に残念であった。

5  血液の色についての判断

先に述べたとおり、確定判決が誤りであったという最高裁の判断が、血液の色について審理を尽くせという差し戻し決定につながったと考えられる。

五点の衣類に付着していた血液は赤みが残っていた。しかし、一年二か月間もみそに漬かっていたのであれば、誰もが赤みが残っていることが少しおかしいと感じるのではないかと思う。同様に、五点の衣類のうちの白い生地であった白半袖シャツやステテコのみそによる着色の程度もとてもわずかなものであったから、同じようにおかしいように思われた。これらは、いずれも静岡地裁が再審開始決定の理由の一つとしたところである。

しかし、血液は、赤みが残っているか否かということで、わかりやすいこと、また、単に染色ということではなく、化学反応が影響するであろうから、論じやすいということもあったと思う。しかも、最高裁は、昭和四二年当時のカラー写真は、再現性が悪いから証拠として使用することは不適切であるという東京高裁の判断を承認したため、五点の衣類のみそによる着色の程度は問題にできないとしてしまっていた。

その結果、最高裁は、五点の衣類に付着していた血液の色だけを審理させることとしたのである。

ただ、最高裁が、血液の色によって衣類が入れられた時期が判断できると考えたのは、前記のとおり、もともと入れられた時期に関する確実な証拠が何もなかったからである。

弁護団は、即時抗告審において、メイラード反応による血液の色の褐色化を主張した。だから、一年二か月前にみそ漬けにされたのであれば、赤みが残っているはずがないと主張したのである。

メイラード反応というのは、糖とアミノ酸による褐色化の反応で、熟成によってみそが色づく要因たる反応である。しかし、メイラード反応がどのくらいの期間で、どの程度色の変化に影響するのかは、まったく不明であった。そこで、最高裁は、褐色化の原因の一つとして考えられるメイラード反応がどの程度進行していたかを含め、一年二ヶ月間のみそ漬けにより赤みが残るか否かを判断せよと指示したのである。

6  東京高裁における審理の状況

検察官の意見書

検察官は、東京高裁に、一号タンクの中のみそはメイラード反応の進行は進んでいなかったから、血液も赤みが残っていた可能性があるとの二名の専門家からの事情を聞いた捜査報告書と意見書を提出した。

しかし、メイラード反応が進行していなかったというのは、みその色が比較的薄い色であったという、五〇年前のみその色についてのみそ会社の従業員の記憶による。そもそも五〇年前の記憶がどのくらい正確か疑問である上、みその色が比較的薄かったから血液のメイラード反応も進行していなかった、だから赤みが残っていたというのは、論理の飛躍があると考えられる。みその色だけでメイラード反応の進行度合いがわかるのか疑問であるし、しかも、それがどのくらい血液の色の変化に影響を及ぼすのか、実験もされておらず、正しく判断できる専門家などいないはずだからである。なにより、次に述べるように、メイラード反応以外でも血液の色を褐色化、黒色化する要因があるのである。しかも現実に、血液は短期間のみそ漬けで、いや短時間のみそ漬けで黒くなるのである。人血の付着した布をみそに漬ける実験をこれほど繰返したのは、ほとんど我々弁護団と支援者しかいないはずで

ある。

支援者と弁護団の繰返しの実験

一年二か月も経過すれば、常識的にも、血液は真っ黒になるのではないかと誰もが考えるであろう。ただ、みその中での化学変化等について、醸造中のみそは有機物で微生物もいるような複雑な環境であるため、どのくらいの期間ないし速度でメイラード反応を含めた褐色化の化学反応が進行するのかわかるのか、という疑問もあるのかもしれない。しかし、私たちはまったく心配していない。

五点の衣類がみそタンクに入れられた時期として可能性があるのは、事件直後である発見の一年二か月前か、そうでなければ、発見の一週間前から発見時までの期間である。その間の約一年二か月間は、八トン以上のみそが一号タンクに入っており、発見時のようにタンクの底に衣類の入った麻袋を入れることは物理的に不可能であったからである。したがって、五点の衣類がいつ入れられたか厳密に確定する必要はなく、上記二つの時期のうち入れられたのはどちらかという問題なのである。だから、その判断はさほど困難ではない。

そして、実際に私たちは、いろいろな条件、つまりみその種類を変え、熟成が進んでいないもの、進んだもの、白みそ、赤みそ、さらには水分を多くするためにみその滲出液であるたまりやそれと混合したみそなどを使い、また血液もいろいろな条件を考え、採取した直後のもの、数時間経過したもの、複数の血液型のものを混合した血液など、考えられるあらゆる条件の実験を行った。こんなに色々な条件で実験ができたのは、実験の場所に来ていただいて血液を何度も採取していただいた医療関係者の支援、さらにこちらの注文の原料で事件当時と類似のみそを造っていただいたみそ屋さんの支援によるところが大きい。そして、支援者の家に寝袋持参で泊まり込んで、みそ漬け等の時間を変え、血液の採取からみそ漬けまでの時間を変えて、実験を実施したのである。

その結果、本当にどんなものでも、どんな条件でも短時間で黒くなることが確信できたのである。

さらに、支援者の一人で、夫が医師で家庭の主婦の方が、家庭の調味料などに血液を付着させた布等を浸す実験をしてくれた。水、醤油、たまり、米酢、日本酒、サラダ油、みりん、豆乳、ポッカレモン、さらに蜂蜜まで使用して血液を付着させた布等を漬けたのである。そして、この実験によって、酸性の液体の中では布に付着した血液がすぐに濃い褐色になることが判明した。そして、調べてみるとみそは弱酸性であった。吐血が胃酸によってヘモグロビンが変化して黒くなるということは、この実験で理解できたが、これもきわめて重要な発見であった。

これらは簡単な実験であるから、誰がやっても同じである。一年二か月どころか、短期間で赤みが消えてしまうという結論は、もはや動かせないのである。それは、メイラード反応が進んでいなくても何も問題がないことになる。

現在、私たちの実験について科学的な説明を専門家にお願いしている段階である。

今後の審理の見通し

今述べたとおり、検察官の主張のように、仮にメイラード反応が進行していなくても、現実に血液は短期間で赤みが消えて黒くなってしまうのである。しかし、検察官は、メイラード反応は進んでいなかったというだけで、どのような条件があれば赤みが残るのかという指摘すらできないでいる。

そもそも、検察官自身が、差戻し前の東京高裁に提出した中西実験では、みその材料から始めて、熟成前のみそがほとんど着色していない薄い色のときでも、すでに血痕は黒っぽくなっているのである。検察官が、それはメイラード反応でないというのであれば、別の要因があるということになる。そうすると、メイラード反応が進んでいなかったという検察官の前記意見書は、何の意味もないということになるが、検察官は、それにはまったく触れていない。

こんな状況であるので、私たちは東京高裁の審理を終え、再審開始を勝ち取るために、今後さほど時間を要しないと考えている。

7  袴田さんと強力な支援者

袴田巖さんは八五歳であり、糖尿病ではあるが元気である。八八歳のひで子さんと二人の生活であるが、ひで子さんも高齢であるため、毎日、支援者の中心人物の一人である猪野待子さんが袴田家を訪問し、生活の支援をしている。待子さんは、そのために巖さんから絶対の信頼を受けており、注射を怖がり必ず拒否する巖さんに対して、待子さんだけがインシュリンの注射をすることを許されている。

巖さんは、釈放後の習慣であるが、毎日五、六時間は街の様子の見回りのため外出している。これは散歩というようなものではなく、「絶対的権力者」である巖さんが、「ばい菌」から人々を守るための仕事なのである。そして、そんな巖さんを見守るために、支援者の人たちも毎日必ず、交代でずっと付き添っている。袴田さんには日曜日も祝日も盆も正月もなく、当然、見守りも文字通り毎日である。本当に強力で暖かい支援である。そして、こうした支援の人達との交流によって、袴田さんは、ほんの少しずつではあるが、普通の生活を取り戻しつつあるところである。

浜松の街の人達も、巖さんが歩いているのを見つけると、暖かい声をかけてくれる。勉強会ないし集会も、毎月浜松市内で開催されている。ホームページやブログも次々に更新されている。心配なことと言えば、ひで子さんが、このコロナ下でも、呼ばれればすぐに全国どこにでも出掛けてしまうこと位である。ひで子さんは、本当に活動的なのである。

巖さんが釈放されたことで、こんなふうに巖さんをめぐる状況も激変した。再審無罪への道も、ずっと速度を上げることができたと思う。

私たちは支援者とともに弁護団会議を開催し、合宿も行い、そのため弁護団と支援者の共通のメーリングリストを利用して意見、情報を交換している。このような協力関係にあるから、先に述べたとおり、繰り返し行ってきたみそ漬け実験も、そのための採血も、支援者の力によるところが大きいのである。さらに、クラウドファンディングにも、全国の多くの方が賛同、協力していただき、DNA鑑定の関連を含め、幅広い弁護活動ができているところである。

こうした支援に応えるためにも、弁護団は一日も早く再審開始を勝ち取りたいし、間もなく勝ち取ることができると考えている。

袴田チャンネル新番組【袴田裁判の現状 水野智幸先生の解説】

水野智幸先生による差し戻し審の現状解説

袴田裁判の令和3年秋時点での状況と 検察官・弁護人・裁判官の三者 それぞれの思惑や立場など、元裁判官の刑法学者・弁護士で 袴田弁護団の一員でもある 水野智幸教授(法政大学法科大学院)に 多面的に解説していただきました。

8/30 第3回三者協議、同日に記者会見

8/30に東京高裁で、再審請求の差し戻し審が行われました。直後に弁護団は記者会見を開催。その動画に加えて裁判の現状と争点についての簡単な解説もあります。ご覧ください。

袴田チャンネルに新番組【メディアの大罪】

【メディアの大罪】

袴田さんの釈放を歓迎したメディアに、かつて「犯人視報道」によって、袴田巖さんを犯人に仕立て上げたことへの反省はないのか。このままではまた同じことが繰り返される。ビデオニュース・ドットコムで著名な独立ビデオジャーナリスト、神保哲生氏が警鐘を鳴らす。

 

 

 

6/21 第2回三者協議後に弁護団が記者会見

6/21 第2回三者協議後に弁護団が記者会見

 

叫びたし 寒満月の 割れるほど

無実であるにもかかわらず「死刑囚」とされ、無残にも命を奪われた「死刑囚」の無念の叫びです。

 

不可解かつ悲劇的なえん罪事件の一つ【福岡事件】。無実の人、西武雄さんが「国家による殺人」の被害者になってしまった経緯。無実を信じて奔走する僧侶、古川泰龍さんと家族の数奇な運命。奇怪かつ陰惨なこの事件を風化させてはならじと、その闇を暴き、この国の司法に良心を甦らせることをライフワークとする「怒れる刑法学者」宮本弘典教授(関東学院大)の、熱気あふれるライブ講演です。(令和3年5月15日 浜松復興記念館・袴田事件がわかる会で収録)

4/19 外国特派員協会で記者会見

袴田事件、最高裁での差し戻し決定を受けて、東京高裁での審理が始まりました。3月22日には第1回目の三者協議(裁判官、検察官、弁護人の非公開の審理)が持たれました。弁護団は、どのように闘うのか?海の向こうの世界からも関心が寄せられています。海外メディアの日本支局が集まる日本外国特派員協会(FCCJ)主催の記者会見が4月19日に開かれ、弁護団長の西嶋勝彦弁護士、事務局長の小川秀世弁護士、再審請求人の袴田ひで子さんの3人が出席。1時間以上の熱気がこもった会見となりました。その様子をご覧ください。

3月22日【第1回三者協議】東京高裁での差戻し審が始まりました。

袴田事件第2次再審請求審は、昨年12月に最高裁が高裁決定を取り消し、東京高裁に差し戻したのを受けて、東京高裁での審理が始まりました。3月22日が第1回目の裁判です。裁判といっても再審(裁判のやり直し)を認めるかどうかを争う手続きで、この段階を越えて初めて再審公判(やり直し裁判)となるのです。どうやら、またしても非公開で行われる審理。裁判官、検察官、弁護人の三者だけの協議で進められる裁判です。

日本の再審制度では、第1関門の再審請求審で再審開始決定が確定すれば、次の段階の再審公判(公開裁判)ではほとんど争わずに再審無罪判決で決着します。第1段階で実質審理は終了するようなシステムになっています。この大事な方の裁判が非公開で、公開裁判の再審公判が儀式的な付けたしになっているのは変なのですが。日本の裁判制度の問題のひとつです。ともあれ、再審開始決定を勝ちとらなければなりません。

 

さて、最高裁の出した差し戻し決定が、高裁での審理の出発点となります。どういう決定で、何を高裁に求めているかを再確認しておきます。

  1. 東京高裁の再審開始を認めなかった決定を破棄する。この点では全員が一致しました。
  2. その後の処理として、高裁への差し戻しを3人の裁判官が主張し、後の2人は即刻再審を開始すべきという意見でした。多数決によって高裁への差し戻しという結論になったのです。
  3. どういう点をやり直せという指示だったか、最高裁は具体的に指摘しました。「メイラード反応その他のみそ漬けされた血液の色調の変化に影響を及ぼす要因についての専門的知見等」「現時点における専門的知見等」を調査するため差し戻す。決定から引用すると、こうです。
  4. これは、こういうことです。犯行着衣とされ、かつ袴田さんのものとされている「5点の衣類」が有罪証拠の中心とされています。検察官は事件直後に袴田さんが味噌タンクに隠したもので、事件の1年2か月後に発見されたと主張しています。そして有罪死刑判決(確定判決)でも、検察の主張を根拠としています。対して弁護団は、ズボンが穿けなかったこと、上着と下着に付着している血痕の位置がチグハグであること、DNA型が不一致だったことなどを指摘して「5点の衣類」は捜査当局による不当なねつ造(でっち上げ)証拠。発見されることを想定して直前にタンクに入れたと反論。中でも、血痕の色に赤味が強かったことを問題視し、【みそ漬け実験】で血痕は黒く変色することを明らかにしたのです。従って、1年2か月も味噌タンクに漬けられた衣類に残されていた血痕が赤味を維持していれば有罪証拠になるが、赤味が消えて黒っぽい色に変色すればねつ造証拠と言う外ないということ。さらに参考までに専門家の意見を聞いて論理的にも説明がつくような調査を最高裁は要求しているわけです。
  5. ですから、まずは検察官が1年2か月もの期間、味噌タンクに入れられた衣類の血痕が赤味を維持する、そのことが自然であることを合理的に証明しなければならないのです。が、検察も味噌漬け実験をやりました。その結果では、血痕は黒く変色していました。この事実は裁判所も確認していることなので、ごまかしようのないことです。

ここから始まる差し戻し審。最初から検察のピンチですが、何でもアリの裁判。国民の監視が必須です。

東京高裁第1回三者協議/弁護団報告記者会見の動画をアップいたしました。

12/22 最高裁、高裁への差し戻しを決定。再審無罪への大きな一歩!

最高裁の決定が出ました。正義が示された画期的な決定でした。

 

「原決定(高裁の再審開始を認めない決定)を取り消さなければ著しく正義に反するというべきである」(最高裁決定より)

主文

原決定を取り消す。

本件を東京高裁に差し戻す。

 

 

裁判は方向転換!「袴田さんは無罪」と言っているよう。

12月22日、最高裁は決定を下しました。その意味するところは、東京高裁の実質的「有罪」判断をひっくり返して、「袴田さんは無罪」という判断を示したということです。 再審制度上ではこの段階でいきなり「無罪判決」を出すことはできません。できることは、「再審開始」を命ずるか、もう少し慎重に「審理をもう一度やり直せ」と指示することです。

審理を担当した第3小法廷の5人の裁判官全員の意見が一致したのは、東京高裁が再審を認めなかったのは酷い、法律違反であるという点でした。そして「著しく正義に反する」とまで叱りつけ、高裁決定を取り消したのです。しかし、次の結論では意見が分かれ、3人が「高裁への差し戻し」(審理が尽くされていないとして、やり直し)を、2人が「再審開始」を自判(最高裁が直接判断)することを主張。3対2の多数決となり、決定は「差し戻し」となったわけです。

これからも再審無罪を裁判所が最終的に認めるまで、再審の闘いは続きます。その中で、最高裁判所のこの決定は生半可ではない影響力を放ち、静岡地裁が2014年に出した「再審開始決定」と等しいかそれ以上のインパクトを与えるに違いありません。

山が動いた!

この決定が出るや、袴田さん支援者や一般の方から「この決定をどうとらえればいいの?」「いい結果だったの?どういうこと?」と、お問い合わせが相次ぎました。ひとまずはご安心ください。無実の袴田さんの裁判は、2018年の東京高裁の不当決定で悪い方向に捻じ曲げられましたが、最高裁が今回方向転換させたのです。私たち支援者や弁護団にとって袴田さんの無罪は一点の曇りなく自明のことですが、いくらそう言っても裁判所が「無罪判決」の形にしてくれない限り仕方がありません。その点からすると、今回の事態は、日本の最高裁判所という大きな山が動いたということなのです。

しかし、「果報は寝て待て」というわけには行きません。裁判はまだ続きます。ここまで来ても最終的には勝てなかった経験があります。名張毒ぶどう酒事件では、最高裁の「差し戻し」に対して名古屋高裁が「再審棄却決定」を再び出し、それが最高裁で今度は認められてしまったという例です。45年前、白鳥・財田川決定という画期的な判例が出てから 死刑事件の再審無罪判決が相次いだのですが、それ以降は「再審の冬の時代」に逆戻り。近年は「再審請求」を却下する不当な決定がのさばっているかに見えます。

袴田事件でも、2014年の「再審開始決定」を受けて2018年に出された高裁決定は、まさかの「棄却決定」でした。この度の最高裁決定が逆風に負けることのないよう、「無罪判決」までち密にして大胆な法廷闘争を徹底すべきことは言うまでもありません。

最高裁の審理は、予測不能のブラックボックス

最高裁の担当は、最高裁の第3小法廷(林道晴裁判長)。弁護団は何通もの特別抗告補充書(最高裁への意見書)を提出して再審開始(再審無罪)を訴えてきました。ただ、最高裁での再審請求審(裁判のやり直しをするかどうかの審理)とは、普通の裁判(公判)とはやり方が全く違う。全くのブラックボックスです。再審請求審は地裁や高裁でも非公開なのですが、それでも三者協議(裁判官と検察官、弁護人の密室での協議)で論議ができた。しかし、最高裁では協議もできない。それどころか担当裁判官、調査官と面会すら拒否されてしまう。意見書を出すことしか許されない。調査官や裁判官が何を考え、審理がどう進んでいるのか、いつ決定が出るのか、皆目見当がつかないのです。

ですから、期待しながらも心配や不安な状態で、ただ待たされていました。しかも、先行して最高裁決定が出された大崎事件の場合、考えられないほどの不当な決定でした。なので、最高裁決定には、最悪の場合「再収監」(袴田さんが拘置所に戻されること)も想定しなければいけない。そんな心配をしながら、じらされていたのです。

最高裁決定は、3通り。最悪の場合、高裁決定を認めて再審開始を棄却する。あるいは、高裁への差し戻し。最善は、再審開始を自判(最高裁が自分で決める)する。再審が認められなければ「再収監」の可能性が浮かび上がるわけですから、最低でも高裁への差し戻し」を願っていました。

23日、事前連絡なしに「最高裁決定」が袴田ひで子さん宛に届きました。結果は、高裁への差し戻し。巖さんの再収監はなし。死刑の執行停止と、釈放も継続されます。ほっと一息というところです。その内容に立ち入ると、驚きです。「差し戻し決定」に賛成する意見と「再審開始」を自判すべきという意見がそれぞれ理由をつけて書かれていたのです。最高裁決定には、結論しか記載されていない「三行半」と呼ばれる手抜きの決定がよく見られますが、そうではない。おそらくは裁判官一人一人が真摯に取り組み、かなりの論議を経ての判断だということが伝わってきます。そして、正義が息を吹き返したかのような点が含まれているのです。その要点を説明します。

 3人の差し戻し意見と2人の再審開始意見

  1. 最高裁は、下級審の判決や決定について、「憲法違反があるかどうか」という点を判断するのみで、事実認定には触れないというのが法律上の建て前です。重大な事実認識の誤りがある場合のみ事実の審理に踏み込むのです。今回、事実認定の誤りに触れました。「犯行時の着衣」と認定されてきた5点の衣類を取り上げ、そこに付着していた血痕の色について「科学的な検討が不足している」と判断。高裁の決定を取り消した上で、その点をもう一度しっかりとやり直しなさいと、審理を差し戻したわけです。
  2. 5人の裁判官の結論は、高裁決定を棄却するということでは全員が一致、それ以外で意見が分かれました。もう一つの結論として「高裁への差し戻し」が3人。それに対して「自判して再審開始」を主張したのが2人。結局のところ、3対2の多数決で「差し戻し」とされました。再審請求審で意見が分かれることは異例ですが、それは先述したように、各裁判官が真摯に検討し論議を尽くしたことの結果です。むしろ、各裁判官の考え方が明瞭になっているという意味では、今後の審理に良い影響をもたらすのではないでしょうか。
  3. 取り上げられた争点は二つです。まずは先述した血痕の色についてです。多数意見は、高裁の再審棄却決定は5点の衣類に付着した血痕の色についての判断が「間違いとはいえな

    5点の衣類のステテコと味噌漬け実験のもの

    いまでも、専門的知見に基づく検討の必要性」がある。弁護側の花田意見書に検察側の反論もない。血痕の色から1年2か月も味噌漬けになっていたかどうか慎重に判断するには、審理が不十分というのです。それに対し反対意見は、血痕の色は不自然、としています。「高裁決定」は当時の古い写真からは色の違いが分からないというが、元従業員や鑑定書などから一年以上も味噌漬けになっていたのに血痕の色は「赤味」が強過ぎる。検察がやった味噌漬け実験の結果からもそれは明らか、としています。さらに進んで、元々「衣類が長期間みそ漬けにされていたことが当然視されていたけれども、かかる推定の明確な根拠が示されていなかった」。衣類を隠したのは「第三者による工作の可能性」とまで言及しているのです。

  4. DNA型鑑定の評価についても意見が分かれました。鑑定結果が確定判決に疑問をさしはさむだけの価値があるかどうかという点です。3人が本田鑑定にはそこまでの信頼性がないとし、2人は鑑定結果には問題があるものの、確定判決への合理的疑問として有効な新証拠であるとしたのです。全員が、高裁決定にある本田鑑定への不当な偏見、科学者としての資格や人格への非難について、これを批判。「あたかも本田教授が不正にデータや実験ノートを消去したかのように説示したのは、少なくともミスリーディング」と述べ、本田教授の科学者としての資質や能力についての名誉回復が図られました。
  5.  全体意見は、高裁決定に対する厳しい言葉での批判を含んでいます。多数派3人の場合、無罪方向での評価ですが、「差し戻し」という慎重で穏やかな結論を下しました。「再審開始」を主張する2人に至っては、静岡地裁の再審開始決定を下した村山裁判長の再来かと思わせる鮮やかな評価で、実質無罪を示唆しています。

ところで、再審においても「疑わしきは被告人の利益」とする原則、有罪立証に合理的な疑いがあれば再審を開かなければならないという最高裁判例を前提としなければなりません。そうすると、3人の多数派の理由を是としても結論は「再審開始」とすべきなのです。血痕の色についての審理を尽くすのは再審公判での課題とすればよいのですから。そうでなければ、いたずらに時間ばかりを費やすことになります。無実の人を救済するという再審制度の精神からしても、「差し戻し」は慎重さが過ぎるという批判が出るのも妥当なところです。

支援の力、世論の力

「絶望の裁判所」とまで元裁判官から酷評されている裁判所です。とは言え、今回の最高裁決定には、人権を護る砦である裁判所の役割を果たそうとする姿勢が見えました。2014年に出された静岡地裁の再審開始決定に続く画期的な決定となりました。「奇跡」とも言える判断の要因として裁判官の真摯な姿勢を先述しましたが、ある法学者がその強力な要因の一つとして挙げられたのは、袴田さんの裁判を「支援する力」でした。

袴田さんを応援する数多くの人々の熱意の広がりがクラウドファンディングを盛り上げました。それに触発されたマスコミの活発な報道もありました。アメリカのCNNやヨーロッパの報道機関から中東アルジャジーラに至るまでの報道で、世界規模で世論が高まりました。外国でも「袴田事件」を取り上げて日本の刑事司法の問題に警鐘を鳴らしているのです。

2018年、東京高裁が不当にも再審を否定した時、日本中から、世界から、ブーイングが巻き起こったことを裁判所は見ていました。世論の風向きが最高裁に向き、最高裁を監視していたことを知っていたのです。「いい加減な判断」はできない、誠実に取り組まなければ日本の裁判所は世界から信用を失い取り残されてしまう、そんな危機感があったと思われます。

今回の決定に対してもマスコミは大騒ぎ、世論は東京新聞・中日新聞の「早く無罪を言い渡せ」という社説に代表されています。外国からも報道陣が次々と取材に訪れています。支援者からの声が続々と届いています。この大波は「再審無罪」になるまで止むことはないでしょう。

弁護団の活躍はもちろん、皆様のご支援が力になった今回の最高裁決定でした。今後とも支援の輪を広げていくことが、袴田さんのえん罪を雪ぐことに貢献し、さらに他のえん罪事件へと波及していくに違いありません。日本の司法に人権と公平さをもたらすための歩みを支える風土が培養されて行く。そう期待し確信しています。

今後とも引き続きご支援くださいますようお願いいたします。

 

 

 

23日に行われた弁護団記者会見の様子を『袴田チャンネル』にアップしました。

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