不当決定抗議6・24浜松集会アピール    

東京高裁大島裁判長は再審開始を決めた静岡地裁の決定をくつがえし、無実の袴田巌さんを再び死刑台に送ろうとするとんでもない暴挙を行いました。東京高裁の決定は袴田事件の全体像を見ることなく、DNAの鑑定手法の是非を問う科学論争に矮小化し、「誰もやってない手法で信用できない」と決めつけ、一方的に検察の主張だけを認める偏ったものです。この決定は、単に静岡地裁の決定に疑義をはさんだというだけでなく、この決定の結果、無実の人が殺されるという意味で、いくら言葉を重ねても許せない、歴史に残る前代未聞の無茶苦茶で犯罪的で人でなしの判決だといえます。

高裁の決定では筑波大学本田教授の鑑定手法だけをことさら問題にして、4年もかけて検証を行いながら、40年以上も前の古い試料から何とか真相を究明しようとした本田教授の法医学者としての努力には目をつむり、検察が指定した鈴木鑑定の杜撰さを問うこともなく、「やり方に疑問がある」というだけで本田鑑定そのものを否定しました。

高裁に審理が移った4年間に新たに袴田さんの無実を確信するいくつかの新証拠も明らかになりました。真夏の炎天下の密室で行われた、連日12時間を超える執拗な追及やトイレに行かせない苦痛は「自白の任意性、信用性に疑問」であっても、裁判官の色眼鏡には、違法な、精神的、肉体的な拷問とは映らないようです。何度も装着実験をして「はけなかった」ズボンのサイズの嘘を認めながら、公判での警察官の偽証は不問にして「はけたはずだ」と積極的に検察を弁護しています。なかでも、「捜査機関が5点の衣類を捏造する動機がない」「自白と矛盾する捏造を警察がするとは考え難い」という論理は50年前ならいざ知らず、検察官による証拠の捏造(厚労省村木事件)や森友、加計問題での官僚トップによる証拠の隠蔽や捏造を見せられて、今では国民の多くはあり得ることだと思っています。

高裁決定の誤った結論からの論理展開は検察の主張だけに肩入れし、真実を見極める目を曇らせています。ズボンは穿けたとする裁判所の想像は、単なる可能性を述べているにすぎず、実際に穿けなかった事実に対し説得力はありません。なぜ、警察は公判で偽証してまで、ズボンの色BをサイズのBだと嘘をつかなければならなかったでしょうか?

もし、5点の衣類が出てこなくても、袴田さんに死刑判決が出たでしょうか?自白の信用性の不安を自覚していた警察にとって、5点の衣類が決定的証拠になったのは間違いありません。

私たちの会が主張してきた「専務に蹴られたすねの傷」の真実も結局、証拠の記録を出させることなくうやむやにされ、大島裁判長に宛てた手紙も無視されました。逮捕時に傷があったという証拠も出さずに「なかったとは言えない」と言われても、誰が信じることができるでしょうか?

東京高裁大島決定は疑問だらけの『袴田事件』の真実に向き合うことなく、『疑わしきは被告人の利益に』という刑事裁判の大原則から逸脱した不当決定です。無実の袴田さんを死刑にする残酷な決定を出しながら、人道的な配慮をしたかのように言うのは欺瞞です。本当の人道的な配慮とは48年間も殺人犯として不当に拘留された袴田さんをこれ以上苦しめることのないように、1日も早く再審を開始することではないでしょうか。数々の新証拠を過小評価し、熊本元裁判官の告白の重みも理解できず、半世紀も弟の無実を信じて奔走した家族の願いも踏みにじり、時計の針を40年も巻き戻した不当決定を私たちは永遠に忘れず、絶対に許すことはできません。

私たちは不当決定にめげず、最高裁に向けて再審無罪への道のりを歩み始めました。死刑制度を維持するこの国で、信頼性の乏しい証拠で無実の人が死刑になることは絶対に止めなければなりません。無実の死刑囚・袴田巌さんが晴れて自由の身になる日まで私たちは共に歩んでいきます。

2018年6月24日

袴田巌さんは無実だ!「不当決定」抗議6・24浜松集会

再審開始決定から4年、一日も早く無罪判決を

無実の死刑囚、ギネス記録の獄中48年、歴史上類を見ない17,388日の拘禁

袴田巌さんを救う市民の会袴田巖さんは無実です。それどころか冤罪(※)の被害者です。濡れ衣を着せられ、死刑宣告を受けて拘禁され、30歳で逮捕されてから48年間の獄中生活を強いられました。1万7千388日の拘禁は、過酷であること歴史上その類を見ることがなく、ギネス記録になったほど。世界から注目を浴びている人権侵害であり日本の恥辱と言うほかありません。
袴田事件は、冤罪事件です。捜査機関(警察、検察)が袴田さんを拷問まがいの自白の強制、証拠の偽造、隠ぺいを武器に起訴、それを静岡地裁が認めて一審死刑判決。さらに東京高裁がそれを支持し最高裁も追認したのですから、国家による犯罪にほかならないのです。公務員特別暴行陵虐罪(※)、特別公務員職権濫用罪(※)、偽証罪(※)、逮捕監禁罪(※)、さらには殺人未遂罪(※)、加えて人道に対する罪(※)が相当すると考えられます。
警察官や検察官、裁判官の中には、袴田さんの無罪を心に秘めていた人もいたでしょうが、不作為の罪、未必の故意はなかったでしょうか。袴田さんの人生は暗転し地獄の苦しみに襲われること48年間。他に類のない重く過酷な刑罰を背負う死刑囚とされてきた冤罪被害者なのです。
袴田さんは、獄中から息子への手紙の中で言っています。
「お前のチャンは決して人を殺していないし、一番それをよく知っているのが警察であって、一番申し訳なく思っているのが裁判官であることを」
袴田事件は、日本弁護士連合会が袴田事件弁護団を組織して支援する冤罪再審事件です。私たちは、一日も早く再審を開始し無罪の決定を裁判所に要求、国民の皆さんにも袴田さんへの支援を訴えております。

» 「用語解説(※印)」はこちら

» 「袴田事件」とは?

 

48年目にして再審開始決定、死刑と拘置の執行停止
検察の即時抗告、高裁の審理開始からもう3年経過

袴田巌さんを救う市民の会2014年3月27日、静岡地裁は再審開始決定を出すとともに、死刑の執行停止、拘置の執行停止を決定。ようやく正義が息を吹き返したかの如く、袴田さんはその日に釈放されました。
しかし、故郷に帰って姉の秀子さんと穏やかで自由な暮らしが始まったものの、肉体と精神に受けたダメージは深刻です。あまりにも長かった死刑囚としての獄中生活は毎日が想像を絶する拷問。釈放されて3年、受けた傷は徐々に回復してきているものの、簡単には治癒しません。今も身分は死刑囚のままで、受難の苦しみの根本は変わらずに続いているのです。
静岡地検は再審開始決定を不服として東京高裁に即時抗告、それからもう3年が経過。検察の引き延ばし作戦によってまだ審理が終わっていません。「こがね味噌強盗殺人・放火事件」は迷宮入り、「袴田事件」も未解決のまま半世紀を数えるのです。袴田巖さんは30才で逮捕勾留されて48年間の獄中生活を強いられ、現在81才。一日も早い再審無罪を勝ち取り、袴田さんの名誉を回復しなければなりません。「袴田事件」を正義が決着つけるために。

見て、聞いて、読んでください

袴田巌さんを救う市民の会普通の生活を送っている人にとっては、不思議なことだらけではないでしょうか。

1) 警察や検察、捜査機関が、証拠をでっちあげたり、自白を強要したりするなんて、信じられません。市民の命や財産を守ってくれる警察がそんなことをするはずがないと思います。

2) また、取調官から押し付けられたにせよ、一たんは自白して罪を認めています。自白すれば死刑になることが分かっているのだから、「私がやりました」などと自白するはずがないでしょう。

3) 裁判官だって、最高の学歴に加えて司法試験という難関を通ってきた人たちだから、自白が信用できるかどうか判断できるし、有罪を証明する証拠だってあるのでは。

4) 無実の人に死刑宣告をしたり48年間も監獄に閉じ込めておくなんて、そんな酷いことがあるはずがない。遠い昔にはあったかもしれないけど、科学が発達していて民主主義の時代、この日本では起こりえないこと。

そのような疑問が聞こえてきます。このホームページでは、事実を突きとめるとともに、何故にそんなことが起こるのか、また許されてきたのか、明らかにします。普通ではありえないと思われる現実にショックを受けることでしょう。
目を見張り、耳を澄まし、想像力と論理的思考力をフルに発揮して事実と対面してください。
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