日時:12月7日(木) 13時~17時
場所:浜松市市民協働センター
2階第1会議室
内容:講演(13:30~14:30)
「福岡事件から考える死刑廃止」
講師:古川 龍樹(福岡事件支援者)
展示及び福岡事件紹介映像(15:00~17:00)
西武雄さんの書画など
主催:生命山シュバイツァー寺
協力:浜松 袴田巌さんを救う市民の会
福岡事件と袴田事件
2014年3月に静岡地裁が再審開始を決定したことで釈放された元死刑囚の袴田巌さんの姉の秀子さんに会う機会を得た。「いつ死刑が執行されるか分からない状況が無くなっただけでもほっとしている」という秀子さんだったが、地検による即時抗告がなされ、まだ再審は確定した訳ではない。
「もし再び収監されることになれば代わりに私が入る」と秀子さん。48年間という歳月の長さと、無実の罪であることを明らかにする雪冤というものがどれほど困難なものなのかを伝える、実際に乗り越えてきた人にしか言えない、実に凄みのある言葉だった。
その時、一緒に話を聞いていた人が、「あなたのお父さんもきっと同じことを言ったでしょう」と、私に語りかけてくれた。
「福岡事件」
今から53年前の1961年春、福岡刑務所の教誨師だった父、古川泰龍は「無実で死刑になるかも知れない人がいるが、どうしようか」と母、美智子に尋ねた。「あなたが助けるべきです」と母が答え、「福岡事件」再審請求運動の長い長い闘いが始まった。
「福岡事件」とは、47年5月20日、終戦直後占領下の福岡市の博多駅近くの路上で、軍服の闇取引の最中に中国人と日本人の2人の商人が射殺された事件。警察は「強盗殺人事件」と断定して捜査を開始、現金を持ち去ったとして西武雄さんを主犯、2人を撃った石井健治郎さんを実行犯、他5人を共犯として逮捕した。そして拷問による取り調べで自白を強要し、裁判では2人に死刑判決が下され、75年に西さんの刑は執行された。
西さんは取引の手付金として預かった8万円を所持していたが、実行犯とされた石井さんとは2時間前に会ったばかりの初対面で、殺人現場にもいなかった。中国人ら2人を射殺した石井さんは自分が撃たれると思い相手を撃ってしまった過剰防衛であり、決して強盗殺人ではなかったのだが……。