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袴田さん支援クラブ

袴田巖さんに再審無罪を!

新着情報 (page 8 of 11)

『袴田チャンネル』、一気に21タイトルをラインアップ

9月12日現在、ユーチューブ上の『袴田チャンネル』は袴田事件がわかる会のインターネット版です。

これからも順次新番組を追加していきます。現時点での番組をご紹介します。

https://www.youtube.com/channel/UCqlu_zQAcuZkoHv-b4OT7bQ/videos

 入門編 5分とちょっとでわかる 袴田事件

事件の概要と経過、今後を易しく説明。初心者向け袴田事件入門

https://www.youtube.com/watch?v=9ofa5BB8X74

 

 

 

 

 

 

応援1 新田渉世  (日本プロボクシング協会袴田さん支援委員会代表)

日本プロボクシング協会の袴田さん支援活動、新田氏の応援の言葉とパンチ。

https://www.youtube.com/watch?v=D8CwofV53HQ

 

 

 

 

 

 

応援2 桜井昌司  (えん罪犠牲者の会 事務局次長)

えん罪事件「布川事件」の被害者が、「えん罪の作られ方」を解説。ホラー映画より怖い、現代の暗部。

https://www.youtube.com/watch?v=4yjGL-rDwRo

 

 

 

 

 

 

応援3 金聖雄 映画監督

えん罪事件の作品を世に問い続ける映画作家が語る「レンズを通して視た袴田巖さん」。

https://www.youtube.com/watch?v=-5h4bkMbLSs

 

 

 

 

 

 

応援4 福島みずほ参議院議員

弁護士として、死刑廃止を訴える硬派の議員として活躍される福島氏の応援メッセージです。

https://www.youtube.com/watch?v=OuCOxSunKMI

 

 

 

 

 

応援5 鈴木貴子衆議院議員

超党派組織「袴田巖死刑囚救援議員連盟」の事務局長、注目の若手女性議員からの応援です。

https://www.youtube.com/watch?v=ngDphSr3Q2Q

 

 

 

 

 

 

応援6 山本太郎 れいわ新選組代表

日本は「えん罪天国」。袴田事件に代表される冤罪事件の恐ろしさについてアピール。

https://www.youtube.com/watch?v=TC7bngblk04

 

 

 

 

 

 

応援7 保坂展人元衆議院議員 現東京都世田谷区長

東京拘置所在監中の袴田巖さんとの面会を成功させ、巌さんの心に触れる実体験

https://www.youtube.com/watch?v=Wbc2xeEI8bI

 

 

 

 

 

 

応援8 周防正行映画監督 えん罪がなくならいのはどうして?取調べや証拠の扱いの不公平。法制審議会の委員として気づいたこと。

https://www.youtube.com/watch?v=uo8bPZRkibE

 

 

 

 

 

 

報告1 袴田事件:クラウドファンディング記者会見(8月18日)

「クラファン始めます!」みなさんの支援を願うメッセージに触れてください。

https://www.youtube.com/watch?v=wQ_EbbQwDY8

 

 

 

 

 

 

報告2 第1目標の1000万円達成、多数の応援に感謝。セカンドゴールに向けたビデオメッセージ

https://www.youtube.com/watch?v=SJpk_5L9y78

 

 

 

 

 

 

報告3 袴田さん6年の歩みドキュメンタリー映画監督、笠井千晶氏が収めた素顔に触れる「帰ってきた袴田さんの6年間」。

https://www.youtube.com/watch?v=mRBKJCXpqfc

 

 

 

 

 

 

報告4 袴田巖、歩く 袴田巖さんと見守り隊

毎日行われる「パトロール」を見守るメンバーが、袴田さんの「今」を語り合います。

https://www.youtube.com/watch?v=5zXQjDPFB44

 

 

 

 

 


解説1 西嶋勝彦 弁護士(袴田事件弁護団長)

弁護団長、弁護士界の重鎮が事件の問題点とあるべき刑事司法のための提言を語ります。

https://www.youtube.com/watch?v=igZ4NWcxmX4

 

 

 

 

 

 

解説2 小川秀世 弁護士(袴田事件弁護団 事務局長)「5点の衣類・解説」

有罪の事実上唯一の根拠「5点の衣類」の異常さを解説。「そんなことが本当に」驚愕の事実。

https://www.youtube.com/watch?v=4ZY_ktFYGlw

 

 

 

 

 

 

解説3 笹森学 弁護士(袴田事件弁護団) 「DNA型鑑定の光と影」

袴田さんの再審開始を決めた鑑定。だが、それをはばんだ「壁」の驚くべき正体が。

https://www.youtube.com/watch?v=N12lGbKncvU

 

 

 

 

 

 

解説4 水野智幸 (袴田事件弁護団・法政大法科大学院教授) 「真逆の決定」

静岡地裁の開始決定と東京高裁の棄却決定、その二つの決定は真逆。元裁判官にして現袴田事件弁護団の弁護士が、その理由に迫ります。

https://www.youtube.com/watch?v=tuYXSQMNJ7E

 

 

 

 

 

 

解説5 木谷明 弁護士「裁判官と判決・決定」

無罪を数多く確定させた「人権擁護の旗頭」元裁判官が、弁護士として語る「裁判官の生理とえん罪」。

https://www.youtube.com/watch?v=6vedHApHc0s

 

 

 

 

 

 

解説6 田中輝和 東北学院大名誉教授

上告趣意書の意義。袴田さんの肉声を伝える数少ない原資料の編者が、その価値を説きます。

https://www.youtube.com/watch?v=uajnROj0ZuY

 

 

 

 

 

 

解説7 新倉修 青山学院大名誉教授 「事件・人権・死刑」

袴田事件は「えん罪・死刑」の世界的シンボル。法律と人権の大家が考察・解説。

https://www.youtube.com/watch?v=vC2HmWh0zGc

 

 

 

 

 

 

解説8 猪野二三男(袴田さん支援クラブ) 「自白の謎と恐怖」

袴田巖さんは「自白」したわけではない。拷問による「自白」の状況を解明。

https://www.youtube.com/watch?v=-2YCNuBQ0Hg

 

 

 

 

 

8月29日、1千万円を突破。クラウドファンディング開始11日め

ありがとうございました。

クラウドファンディング、第一次目標を達成。

セカンドゴール、2千万円を目指してチャレンジを開始。

8月18日にスタートしたクラウドファンディングですが、開始11日で第一次目標の1千万円を達成しました。初日が終わってみると、すでに100人以上の支援者から寄付が寄せられ、金額にして340万円余が集まりました。そして29日、660人からの寄付で1千万円を突破したのです。皆様のおかげです。ありがとうございました。

正義を希求する人々、弁護団に期待

袴田巖さんへの同情からえん罪への嫌悪、正義を希求する人々は、こぞって弁護団への期待を高めています。捜査機関(警察検察)の暴走と裁判所による追認。日本の刑事司法の病弊が集中している袴田事件は多くの人々の関心を集めていることを実感できる状況でした。みんな怒っています。こんなヒドイことは、もう止めにしてほしいと、願っているのです。

若者中心のインターネットキャンペーン

袴田事件はもう半世紀が経過していることから、支援者も年を重ねてきているように見えました。若者が参加してくることは稀なことでした。ところが、クラウドファンディングというインターネット上のキャンペーンには多くの若者が集まりました。40才以下、20代30代の参加者が最も多かったのです。若者がインターネットを通じてやってきたのです。

潜在的支援者が姿を現す

「応援したかったけど、その方法と機会が見つからなかった」「応援する機会があってよかった」という声が寄せられています。ご自分の思いを表現したくても、そのチャンスがなかった。いいチャンスを見つけたので参加したという方が数多くいらっしゃったのです。東京と静岡からの支援が中心ではありますが、支援者は全国各地に広がっています。

3千円から百万円まで

「寄付」というとお金持ちのやることと思いがちです。ところが、そうばかりではなかったのです。中には多額の寄付をする方が見られますが、ほとんどの方は少額です。もちろん、金額はいくらでも良いのです。要は気持ちです。年金で慎ましく生活している方々が、仲間の寄付金をまとめて届けに見えてくださったこともありました。心優しき方々の温かいお心づけに、落涙するほどの感激があったのです。

勇気づけられました、セカンドゴール2千万円を目指します

クラウドファンディングは10月16日まで続きます。あと1月半でもう1千万円を目指してチャレンジします。ご支援で集まった資金は、手数料を除く全額を弁護団に寄付して弁護活動費用に充当していただきます。袴田さんの再審請求審は今最高裁で闘われています。

静岡地裁で再審開始決定が出され、死刑と拘置の執行停止となり、袴田さんは解放されました。ところが、東京高裁は再審開始を認めないという逆転劇を演じたのです。ただ、袴田さんの再収監は見送り、袴田さんは故郷の浜松で姉のひで子さんと平穏に暮らしています。

それがつかの間の幸せに留まらないように、弁護団には最高裁での闘いに万全を期していただけると確信しています。これほど数多の方々が支援しているのですから。弁護団の後ろには、貴重な生活費を削ってまで正義のために資金を出す正義感の持ち主がひしめいています。心強いばかりです。

クラウドファンディングは、裁判所や捜査機関(警察検察)に対する抗議のデモンストレーションでもあります。今だに証拠隠しや証拠のねつ造を認めないばかりか、「はけないズボン」に象徴されるねつ造証拠で無実の袴田さんを死刑台に送ろうとしているのです。

その横暴を許さず、半世紀にわたって辛酸をなめさせられてきた袴田巖さんに再審無罪を、自由と尊厳を。そのために、より多くの方々に声を上げていただきたい。寄付金の額はどうでもよいので、クラウドファンディングに参加してくださることを願っております。

クラウドファンディング呼びかけ人 :袴田さん支援クラブ(代表 猪野待子)

メデイアに注目された『デコちゃんが行く』

メデイアに注目された『デコちゃんが行く』

5月1日の発売に先立って、4月28日に地元浜松のメデイアにコミック『デコちゃんが行く 袴田ひで子物語』の発刊をお披露目。

燦燦と注ぐ陽光を浴びながら、浜松復興記念館前で記者会見を行いました。当クラブ代表の猪野待子と袴田ひで子さんがスピーチ、マスコミ9社が集まり取材しました。

袴田巖さんも登場しましたが、発言はなく、そのまま街中へパトロールに出かけていきました。

 

早速、当日の夜、NHKニュースが取り上げ、翌朝は静岡新聞が報道。西日本新聞、毎日新聞が後を追って記事を掲載、それ以前にも、朝日新聞デジタルなど50社以上が報道しました。

袴田ひで子さんは有名人、それに加えてマスコミが大きく取り上げたこともあって、大型書店では平積みにしてアピール、通販のAMAZONでは一時その日のベストセラーとなりました。

書店や通販サイトで品切れとなって、入手困難な場合は、当クラブに購入申し込みをどうぞ。在庫からお送りいたします。

4/28 NHKニュース

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4/28静岡新聞

 

5/3 毎日新聞

 

 

 

ひで子さん87才誕生パーティ

2月8日 ひで子さん誕生パーティ

2月8日、ホテルコンコルド浜松で、袴田ひで子さんの

87才お誕生会が開かれました。

袴田さん支援クラブ主催、第30回袴田事件がわかる会を切り替えて

およそ50名が出席。

詳細は、ブログをご覧ください。 https://npokitchengarden.hamazo.tv/

 

東京ドームのミサに袴田さんを招待、来日したローマ教皇

東京ドームのミサに袴田さんを招待、来日したローマ教皇

「5万人のミサは荘厳、教皇の優しさと愛を感じました」
と秀子さん


11月25日、来日しているローマ教皇は、東京ドームでミサを開催。そこに袴田巌さん、秀子さんが招待されました。袴田さんには、四人の案内・警護がつく特別待遇でした。そこには袴田さんへのいたわりと教皇の愛を感じます。

教皇は死刑制度の廃止を訴えています。

死刑制度は人間の尊厳に対する攻撃。犯罪者が悔い改める可能性まで奪う必要はないとして、反対する立場を繰り返し示してきました。2015年に、複数の州で死刑制度が続くアメリカを訪れた際には、連邦議会ですべての国に対し死刑制度の廃止を呼びかけました。

昨年8月、「全世界で死刑が廃止されるために決意をもって取り組む」と宣言し、日本でのミサに「無実なのに未だ死刑囚」の袴田巌さんを招待、凛とした姿勢を示したのです。それは、半世紀にわたって再審無罪を求め続ける巌さんへの温かい応援であり、「えん罪による生命の犠牲を許さない、そしてその理由だけでも死刑廃止は正当化される」という強いメッセージです。日本国民のみならず、全世界の政府と市民にむけた意思の穏やかな表明です。

ローマ教皇といえば、かつて「王権神授説」の下で国王を任命した王の王たる権威を誇り、今また13億人を擁するクリスチャンの最高指導者です。

ミサ後に記者会見した西嶋勝彦弁護団長は「無罪を主張している袴田さんが招待されたことは、世界に発信される。再審開始に一歩近づけることができた」とその意義を強調しました。

フランシスコ教皇は、被爆地(長崎・広島)から全世界に「核兵器の廃絶」を訴えました。そして、環境の保護、生命の大切さ、寛容な社会の実現などをアピール。渾身の舌鋒は驚くほど鋭く、平和と人権の究極を訴えるメッセージでした。

「核兵器保有は倫理に反する」「戦争のための原子力利用は犯罪」から始まって、「軍備拡張競争は、途方もないテロ行為」とまで言ってのけました。そして教皇の目は、国家間の暴力行使だけではなく、国家による殺人、死刑制度、人権侵害にも向けられています。飢える人々、虐げられている人々に救いの手を差し伸べるのです。袴田巌さんの悲惨にも、原爆被災者などに対すると同等の慈しみを表現されました。

ローマ法王と袴田巖さん面会の予定

朝日新聞9/14朝刊より

袴田さんとの面会、調整 死刑廃止提唱のローマ法王

フランシスコ法王

袴田さんとの面会、調整 死刑廃止提唱のローマ法王
ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王(82)が11月の来日に際し、死刑が確定して再審請求中の袴田巌さん(83)との面会を調整していることがローマ法王庁(バチカン)関係者などへの取材でわかった。袴田さんは再審開始決定が取り消された後も、収監されずに浜松市で生活する。死刑確定者との面会が実現すれば極めて異例。法王は「死刑廃止」を提唱しており、日本の死刑制度に世界の注目が集まりそうだ。

法王庁や日本の関係者によると、法王は袴田さんの弁護団から昨年、書簡で面会要請を受けた。袴田さんが収監中にキリスト教の洗礼を受けていたこともあり、東京ドームでのミサの前後などに面会できるかを検討している。ただ、袴田さんは拘禁症状などで体調が不安定なため、面会できるかは見通せない。

袴田さんは1966年に静岡県清水市(現・静岡市)で一家4人が殺害された事件に関与したとして、80年に最高裁で死刑が確定。再審請求を続け、2014年に静岡地裁の再審開始決定を受けて釈放されたが、昨年に東京高裁でこの決定が取り消され、最高裁に特別抗告している。死刑が確定した人は通常、拘置所に収監され、面会が厳しく制限されている。

法王庁と日本政府は13日、法王が11月23~26日に訪日すると発表した。東京のほか、被爆地の広島、長崎を訪れる。ローマ法王の来日は、81年に故ヨハネ・パウロ2世が訪れて以来、38年ぶり。

 

朝日新聞9/14

中日新聞9/14

 

6月7日、弁護団特別抗告理由補充書を提出

6月7日、袴田事件弁護団は最高裁に特別抗告理由補充書を提出。すでに2通の補充書を提出していて、今回は3通目。

「犯行着衣」とされている5点の衣類がねつ造されたものであることを、積極的に証明する新証拠です。

以前から主張されていることですが、スポーツシャツの肩の部分に穴が1か所、その下に着ていたとされる白半袖シャツの肩の部分には2か所の穴があいていて、袴田さんの右肩には傷があります。

判決では、検察官の言い分を採用。それらは、殺害現場での格闘の際にくり小刀が刺さってできたものとされてきました。しかし、上着には一つの穴、下着に二つの穴、これが同時にできたという説明は、辻褄が合わない。そんなことはあり得ない、と弁護団は反論してきました。

袴田さんが釈放されて、実際に肩の傷の位置や状態を目視できるようになり、食い違いがはっきりしたのです。調べたところ、シャツの穴の位置と肩の傷の位置が大きくづれていたことが判明したのです。白半袖シャツの傷は2か所の穴、ところが肩の傷は直線的な傷でその方向もシャツの穴の位置とは合致していません。

その事実から、5点の衣類は袴田さんのものではないということが明らかになるわけです。

弁護団は、同日に記者会見を開きました。そのときの2通の資料をご覧ください。

●190607記者会見資料:右肩の傷と白半袖シャツ(PDF:516KB)

●190607記者会見資料2(PDF:1.68MB)

2/16、姉の秀子さん、86才の誕生パーティ

お誕生日おめでとう

まずは、毎日新聞(2/17)の記事から

袴田事件
元被告の姉・秀子さんの誕生日会 浜松で支援者ら祝う /静岡
1966年に静岡市で起きた「袴田事件」で死刑が確定し、2014年に静岡地裁の再審開始決定で釈放された袴田巌元被告(82)=最高裁に特別抗告中=の支援者が16日、今月8日で86歳となった袴田さんの姉、秀子さんの誕生日会を浜松市中区で開いた。弁護団事務局長の小川秀世弁護士や「袴田事件」をテーマにしたドキュメンタリー映画などを手がける金聖雄監督ら40人以上が出席した。

小川弁護士は、昨年6月に東京高裁が地裁の再審開始決定を取り消したことに触れ「こんなに大勢の人が支援をしてくれる。弁護団としても、早期の再審無罪をという思いがさらに強くなった」とあいさつ。金監督は「秀子さんの生き方にほれて映画を撮るようになった。秀子さんを見ていたら、絶対最後はハッピーエンドになるに違いないと思っている」と話した。袴田さんは不参加だった。

秀子さんはこの日、10年ぶりに着たというドレスで登場。支援者らの前で数曲を熱唱して会場を沸かせ、「昔は誕生日会なんてやったこともなかった。本当にありがとうございます」と笑顔で話した。【古川幸奈】

 

主催は、キッチンガーデン袴田さん支援クラブ、第18回袴田事件がわかる会でした。

半世紀以上も闘い続けてきた秀子姉さんの慰労を、との思いです。

これまで、袴田事件がわかる会に参加された方々が集まってお祝いしました。

 

再放送:NNNドキュメンタリー’18 神となった死刑囚・袴田巖の52年

巖さんのドキュメンタリー番組が日本テレビ系列で全国放送されました。

NNNドキュメント’18
我、生還すー神となった死刑囚・袴田巖の52年ー
2018年10月14日(日)24:55~(15日午前0時55分のこと)
中京テレビ制作

見逃した方のために、再放送があります。

10月21日(日)11:00~ BS日テレ
10月21日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」

岩波書店の『WEB世界』に意見表明

岩波書店の『WEB世界』に意見表明

当クラブ代表の猪野待子に、岩波書店の『WEB世界』から原稿執筆依頼があり、出稿しました。

【巖さんの妄想「最高権力者」は無実の証】というタイトル。

URLはここです。https://websekai.iwanami.co.jp/posts/1201

30歳で逮捕された袴田巖さん、その後の人生は暗転し地獄の苦しみに襲われること半世紀。他に類例のない重く過酷な刑罰を背負う死刑囚とされてきました。巖さんが被った精神的ダメージは甚大で、痛々しいかぎりです。無罪が確定しない現在、回復は遅々としており本質的な蘇生は望めないというのが現状です。なぜなら、巌さんを蝕んだ根本原因、冤罪が解決されていないからです。支援者として身近に巌さんと接する私は、その精神的ダメージにあってもなお不動のものとして生きる巖さんの心情について述べずにはいられません。

巖さんの症状は「拘禁症」、つまり長期にわたる拘禁がもたらす妄想などと一言で言われていますが、そんな通り一遍のものではありません。虚無が支配する独房に投獄された48年間の毎日は、強いられた孤独と絶望の中で、冤罪を晴らせない焦りと抑えることのできない怒りに震え、そして宿命として迫りくる死刑執行への戦慄に苛まれる日々。

そういう極限状況に放置された「死刑囚」の頭の中に渦巻くものは何か。

私は思うのです。もし、真犯人であったなら、罪を犯したことへの慚愧の念と被害者への罪悪感に襲われることはあっても、あるいは被害者の亡霊に慄くことはあっても、巖さんのように正義を希求して身を焦がすなどということがあるだろうかと。

巖さんは、現実の他に心の中に独自の世界(妄想)を創り出しています。そこでは、「最高権力者になった袴田巖」が「嘘のない世界」「社会の正義」「世界の平和」「全人民の幸福」を実現するため、不正義と闘い続けるのです。人の命をも奪おうとする社会の不正義と。二度とそのような「悪」がはびこらないように。巖さんは静かに叫びます。「闘いは勝たなきゃしょんないんだ。負けたんじゃ、やられちゃう」と。「警察? 怨んじゃおらんがね」と、自分をトリックに陥れた警察官や検察官、追随する裁判官の個人個人に対する私怨に囚われることなく、さらに、再審無罪の獲得という自身の利害に留まるものでもありません。

「私のもろもろの闘いは今弱者の生を代表するものである」(獄中書簡集より)。獄中で呻吟しつつ断言した格調高い意気込みは、30年を経た現在、人々の幸福を希い、さながら修行僧のように浜松の街を歩き回る巖さんの姿に貫かれており、この高潔さに私は強い感銘を覚えるのです。

そうです。受難によって今も続く精神的状況と行動は、巖さんが無実であること、袴田事件は冤罪だということを満天下に証明する端的でこの上ない証拠なのです。

このノックアウト知らずのファイティングスピリットは、罪人のものでは決してありません。殴られても蹴られても立ち上がり、なお理不尽な悪魔に立ち向かうタフな勇者のもの以外の何物でもないのです。

ところで、裁判、再審請求審では、DNA型鑑定など高度に専門的な議論が飛び交っています。法律論や科学的鑑定も大事でしょうが、何よりまず巖さんという人間を刮目すればそれだけで無実が分かろうというものです。

今回の高裁決定は、まるで検察主張のオウム返しでしたが、再審開始は取り消したものの「拘置と死刑執行の停止」はそのまま継続とし、最高裁へと判断を先送りしました。これは、一方で検察や上からの同調圧力に屈して、他方では袴田巖さんの無実を確信し同情する国民世論からの非難をかわそうとした結果でしょう。

担当した大島裁判長は公平なデュープロセスに則った判歴を有する裁判官、今どきの裁判所には貴重な人財だという評判で、この裁判長ならと、私たちも大いに期待しました。それがあらぬ事に、来年定年退官を迎えるこの時、袴田事件の再審請求審という世紀の裁判で、天に唾する背信行為。大島氏は多くの国民を失望させ、自らの裁判官人生の晩節を汚しました。

4年前、静岡地裁の再審開始決定は「国家機関が無実の個人を陥れ、45年以上にわたり身体を拘束し続けたことになり、刑事司法の理念からは到底耐え難いことといわなければならない」という名言を残しました。その決定と、即時抗告審の記録を一通り読めば、誰の口からも無罪という判定が出ることは明白なこの裁判。いわれのない罪を晴らすまでには、一体どれだけの知力と歳月が費やされなければならないのでしょうか。

「50年戦争だと思っていたら、100年戦争だった……」85歳の姉、ひで子さんが呟いた言葉が痛い。

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