袴田巖死刑囚救援議員連盟」総会が19日に開かれました。

高裁の判断が待たれる今、緊急に開かれたものです。

塩谷立衆議院議員(浜松選挙区)が会長でご挨拶。

 

 

 

 

 

小川英世弁護団事務局長は、熱く訴えました

法務大臣は検事総長に個々の事件について指揮する権限を有する(検察庁法14条)ので、即時抗告が棄却された時、特別抗告をしないよう議員の方々に要請していただきたいと。

理由は、二つ。
一つ目は、袴田さんは釈放されてはいるが、現在も妄想の世界で苦しんでいて人としての普通の生活が全然できていないこと。浜松の街歩きは、自分は最高権力者で仕事で人々を守るいう妄想にとらわれてのこと。それは袴田さんの日記からも明らかであり、、刑務所時代と全く同じ。最高権力者になれば死刑の執行はできない。つまり、いまでも死刑の執行の恐怖に苛まれているという状況。早く無罪判決を勝ちとらなければならず、検察に特別抗告などさせてはならない。

二つ目は、死刑再審であるという重大性。なかでも、静岡地裁は再審開始決定で無罪が確定する前に釈放した。警察による証拠のねつ造があったからだ。この事件は特別なものだと法務大臣に要請をしていただきたい。

また、横光克彦議員は、刑事再審法の不備を正すこと、検察の上訴の禁止や証拠の全面開示などを訴えました。

こんなにたくさんの国会議員が公正な司法判断を求めて、巖さんの速やかな再審無罪の実現を訴えているのです。

大崎事件の特別抗告をした検察に、「検察はおもしろがってやっているのか」という批判の声さえあがったとか。

総会決議全文は以下の通りです。

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「袴田巖死刑囚救援議員連盟」総会決議

 

 2010年(平成22年)4月22日に超党派の国会議員60名以上の参加により本議員連盟が設立されてから間もなく8年を迎える。この間我々は、その目的である袴田巖さんの処遇改善と早期釈放実現のためにご家族、弁護団、支援者と連携しつつ、東京拘置所での袴田さんとの面会や、時の法務大臣への要請など様々な活動を実施してきた。

そうした中、2014年(平成26年)3月27日、静岡地裁は「捜査機関が証拠をねつ造した疑い」「拘置をこれ以上継続することは耐えがたいほど正義に反する」という異例の強い表現で捜査当局やその主張を追認してきた裁判所の責任を問いただす再審開始決定を下した。そして、袴田さんは48年ぶりに獄中から解放された。これにより、袴田さんの早期釈放の実現という我々の目的は達成されたかに見えた。

しかしながら、検察は即時抗告に踏み切り、再審開始は棚上げとなった。4年を経て、今年度中には東京高裁にて再審開始の可否が決まるとされている。その決定次第では、袴田さんが再収監される可能性すら残されている。残念ながら袴田さんの身分は未だ確定死刑囚のままであり、我々が求める「真の釈放」は実現していないと言わざるを得ない。

東京高裁での即時抗告審は4年もの歳月を要し、今月10日、袴田さんは82歳になった。再審請求人である姉のひで子さんも85歳である。残された時間はわずかしかない。よって我々は、本日の総会で以下のことを決議する。

1、法と証拠に基づく公正公平な司法判断による袴田さんの再審無罪の実現

2.東京高裁が検察の即時抗告を棄却した暁には、検察に特別抗告を断念させるために全力を挙げること

2018年(平成30年)3月19日

袴田巖死刑囚救援議員連盟会員一同