「村山さんに御礼をしたかった。巖の元気な姿を見てもらいたかった」。

ひで

5/19 再審法改正市民の会院内集会に袴田ひで子さんがゲストとして出席。同時に村山浩昭弁護士も講師として招かれていました。

ひで子さんは、巖さんを伴って会場へ。三人は会場で顔を合わせることになりました。

集会の開始直前に、別室で初の対面が実現した。

周知のように、村山氏は2014年の第2次再審請求審の静岡地裁の担当裁判長でした。その村山コート(裁判体)は画期的な決定を結論としました。

すなわち、袴田巖さんの再審請求を認めたばかりか、死刑執行を停止するとともに拘置を停止。巖さんを48年ぶりに監獄から即日解放したのです。

「これ以上拘置を続けることは耐え難いほど正義に反する」という決定の表現は、「袴田裁判」への鬱屈してきた憤懣が煮えたぎるような裁判官の叫びとして噴き出してきたような迫力があった。日本の司法の世界に留まらず日本の津々浦々に響き渡り、世界中に広がる波となった。そして、その後の袴田再審の行方を決定づける羅針盤となったのです。

今までの再審請求裁判では、再審開始決定を出しても身柄を釈放することはなかった。

再審開始決定は実質無罪の言い渡しなので、再審請求人の人権を考慮するならば刑の執行停止は当然のこと、拘置の停止も自然な成り行きです。

にも拘らず、これまでの再審無罪になったケースでは、再審無罪判決が言い渡されて初めて釈放されるのが慣習でした。

ですから、村山コートの踏み込んだ決定は驚きの目で見られ称賛されたのでした。

 

秀子さんは、巖さんが解放されてからずっと「一言でも御礼が言いたかった」。そのことが頭から離れなかったそうです。

「あの時点で釈放されなかったら獄中死していたのでは」「村山さんは巖の命の恩人」と語っています。

その一瞬を捉えた映像と、集会での村山元裁判長の率直でけれん味のない発言を収録した映像をご覧ください。