供述心理学の第一人者の浜田寿美男(奈良女子大学名誉教授)が語る「自白の心理学」

「罪を認めれば死刑になるのが分かっているのに、無実の人が自白するはずがない」「自白したなら有罪に決まっている」と普通の人は考えます。裁判官もそうです。「自白」があれば「有罪判決」をためらいなく書きます。そこに重大な落し穴があるのです。警察官が暴力をふるい拷問しなくても、無実の人がいともたやすく「私がやりました」という供述調書に署名させられてしまうのです。
それは何故なのか?外から眺めているだけでは決して理解できないことです。そのカラクリに心理学の手法でメスを入れ、「ああ、そうだったのか!」、目からウロコの科学的解説で明らかにしてくれるのが、浜田寿美男先生。発達心理学を専門に研究なさってきた先生が、冤罪を生む元凶としての「自白」の問題に取り組んで40年を超えます。甲山事件を始めとして帝銀事件、名張毒ぶどう酒事件、足利事件、狭山事件など多くのえん罪事件に関わり、袴田事件の裁判でも袴田巖さんの「自白」についての鑑定書を2度にわたって裁判所に提出しています。聞き逃すことのできないお話をどうぞ。